Shell Blog~環境衛生のエキスパートたちが書く、モノやコト~
2014.04.28
「上」でも「下」でもない「中水道」。
一般の方には耳慣れない言葉ですが、
近年、特に環境の面で注目されている水です。
例えば風呂の残り湯など、飲むには汚いですが捨てるにはもったいない水。
そういった水を捨てずに、植木用の水や洗車、洗濯等に
利用する方もいらっしゃると思います。
そうした再利用を、大きな単位で行う水が中水道(雑用水ともいう)です。
注目されるようになった背景には、主に都市部での下記の問題が挙げられます。
・上水道の新規水源開発の高コスト化
・建築物の集中による下水道の容量不足
・雨水の地中浸透率減少による都市型洪水
そのため排水量の減少と雨水の一時貯留が求められるようになり、
大規模都市開発のときに雨水浸透施設とともに
水再利用施設としての中水道設置が義務付けられるようになってきました。
大雨のときの流出量や上水の使用量などの減少で、
周辺環境を改善する効果が期待されています。
しかしいいことづくめではありません。
既に普及している上水道とは別に、
管路網などの送水設備を整備する必要があり、
使用用途も限られるため、高コストとなり易いという問題があります。
そのため一部の大規模施設内における設置及び運用を除き、
現在のところあまり普及していない状況です。
次回は中水道の原水と用途の詳細、そして水質基準について
お伝えいたします。
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