ページトップへ戻る

Shell Blog~環境衛生のエキスパートたちが書く、モノやコト~

2014.06.22

「超」純水について(1)

水の化学式は「H2O」ですが、実際に私たちが使用する水は
「H2O」ではありません。
なぜなら塩素やミネラル、空気など
様々な物質が水中に溶けているからです。
そのため何も溶けていない100%純粋な水(H2Oのみ)は、
化学式でしか存在しません。

しかしH2Oに現代の技術でかなり近づいた水、それが「超」純水です。
以前「純水」のお話はいたしましたが、
純水の製造では対象外だった有機物や微粒子、
気体なども様々な工程を経て取り除かれています。
なお最先端の設備で製造されている超純水に含まれている
不純物の総量は、1?中に1億分の1gという水準です。
これは東京ドームでいうと(面積ではなくドームの空間すべて)、
中にビー玉1つだけ紛れ込んだ状態と同じです。
ちなみに水道水の場合、溶解している酸素だけでも
1?中約100分の1gもあります(20℃で水に変化を与える要因が無い場合)。
このことからも、超純水の純度の高さがご理解いただけるでしょう。
超純水は、主に半導体素子関連の製造工程における洗浄水として、
非常に重要な役割を果たしています。
他にも原子力発電のプラント用水や医療の注射用水、
さらに光ファイバーや液晶ディスプレーの
製造用水としても使われています。
洗浄する際、水に少しでも不純物が残っていると、
回路パターンをショートさせたり、半導体の組成を乱すなどの
影響を及ぼすため、今日に至るまで半導体素子の性能向上や
回路パターンの微細化に伴って、超純水の不純物を減らし
洗浄効果を高めるための、様々な研究開発が続けられてきています。
次回は超純水の製造方法や、その特殊な性質について
お伝えいたします。

当社HPはこちらから→ www.shell-syoji.co.jp

一覧へ戻る