Shell Blog~環境衛生のエキスパートたちが書く、モノやコト~
2014.07.16
突然ですが、「ライバル(rival)」と聞いて
皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
ほとんどの方が仕事や勉強、スポーツで負けたくない人、
あるいは歴史上の人物やスポーツ選手、漫画の登場人物など、
自分の好きな人々をイメージすると思います。
しかしその語源について、ご存知の方は
あまりいらっしゃらないのではないでしょうか。
実は「ライバル」の語源は、ラテン語で「小川」を意味する
“rivus(英:river)”の派生語である“rivalis”です。
これが「同じ川(水源、水利権)を巡って争う人々」から
「一つしかない物を求めて争う人々」の意味へと発展し、
フランス語を経由して英語になりました。
日本でも昔は、稲作が現代よりはるかに重要であったため、
様々な地域で水の争いがありました。
しかし二か国以上に渡る国際河川を有し、
他国と水の利害関係がある国々にとっては、
現在も大きな問題です。
特に中東地域は深刻で、米オレゴン州立大学が、
1950年から2000年までの国家間の水紛争を調査したところ、
37件中32件が中東地域で起こったものだったそうです。
日本は水に困らない稀有な国ですが、だからこそ
その恩恵に胡坐をかくだけでなく、水問題に関して
積極的に貢献すべきではないでしょうか。
ちなみに英語の「ライバル」は、
「常に対立し合っている『宿敵』」という意味で、
日本のように「好敵手」というポジティブな意味合いはありません。
水問題の厳しさを教えられた気がしました。
参考:ナショナルジオグラフィック 2010年4月号 特集:ヨルダン川の「戦争と平和」
朝日新聞グローブ 第16号 「水」が、足りない 2009年5月25日
Science Window 増刊号「水を知る旅に出よう」 2010春 独立行政法人科学技術振興機構
当社HPはこちらから→ www.shell-syoji.co.jp
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