Shell Blog~環境衛生のエキスパートたちが書く、モノやコト~
2014.09.18
研究員のKです。
水質検査の一つに
ICP(高周波誘導結合プラズマ)法という、
水質検査等に無縁な方には
ちょっと難しい元素分析方法があります。
もちろん専用の精密機器を用いた分析なのですが、
実は常にすべて機械任せというわけではありません。
ある分析の際、私たちが注意している点がありますが、
今回はそのことについてお伝えしたいと思います。
弊社で扱っている検体は上水が多く、比較的綺麗な水が殆どです。
そのため測定もスムーズに行えることが多いのですが、
中には正体不明の検体も分析することがあります。
水が汚い場合は、以前の記事
“排水分析のコツ”でも述べたように、
試料の前処理に注意が必要です。
しかし実はもう1点注意することがあります。
それは「測定データの信憑性」についてです。
弾き出された数値は装置が計算しているため、
装置自体を信頼するしかありません。
しかし測定時にはスペクトル(発光強度)を見ることが出来ます。
スペクトルとは、わかり易いイメージで言うと
心電図のような山の形を示したグラフのことです。
これは各元素によって、決まった範囲の波長で検出されます。
したがってスペクトルが適正範囲に検出されているか、
形状が歪んでないか等に注意して確認すれば、
得られた数値の信憑性も増します。
装置は自動的に数値を出してくれますが、
時には自分の目で確認することも
非常に大事なことなのです。
当社HPはこちらから→ www.shell-syoji.co.jp
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