Shell Blog~環境衛生のエキスパートたちが書く、モノやコト~
2015.02.04
以前ブログ記事「ライバル」の中で、
中東地域での国家間の水紛争について少し触れました。
しかし現代では中東でも、国によって事情が違うようです。
例えば個人の水の使用量が最も多いと言われるカタールでは、
データによって差がありますが、1人1日あたりの水道水の使用量が
少なくとも400?/日という驚愕の数値が報告されています。
※日本では233?/日(2009年、東京都水道局調べ)
オイルマネー云々はさておき、
肝心の水自体はどこから供給されているのでしょうか。
実は「海水の淡水化」により供給が可能となっています。
海水の淡水化に、「蒸発法」という海水を加熱し、
蒸気を冷却して淡水を得る方法があります。
蒸発させるためには大きな熱エネルギーが必要ですが、
石油・天然ガスが豊富で、かつ価格が安いカタールでは訳ないのでしょう。
また中東地域全体でいえば、海水の淡水化施設の能力は
2010年には3,150万t/日にもなり、2016年には5,060万t/日に達すると
言われています。
※日本では全国の水道給水量は約4,150万t/日(2008年)
事実、海水の淡水化により得られた、
世界の淡水総量の55%が中東で消費されています。
海水の淡水化は、エネルギーを消費することによる
環境問題への対策や、資本力がない国・地域は導入が難しいなど、
解決しなければならない問題は多くあります。
しかし海水淡水化の技術が発達して、貧しい国や地域でも
安全な水を安価で供給できる日が来ることを
願ってやみません。
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